2010年10月31日日曜日

陳情に際して

衆議院 藤田議員への陳情の際、自己の志望による外国籍取得に際する日本国籍喪失の形骸化について、是非法務省に質問してもらいたい旨、申し出ました。

実際、外国籍取得によっても、日本のパスポートを維持している人は多くいます。これは、正直に国籍喪失届を提出して、日本国籍を喪失する人との不公平を生んでいます。自民党、河野議員は正直者がばかを見る状況になっていると述べられています。

藤田議員は、政府に問い合わせて、何らかの返答をして下さるとのことです。藤田議員は、敢えて問題を顕在化させると、法務省の対応を硬化させる場合もあるとの懸念も示されていましたが、国籍選択制度の形骸化がもう不可逆的であるのと同様に、外国籍取得による国籍喪失既定の形骸化も不可逆的であり、むしろ法務省の放置・隠蔽が問題であると応えました。

質問事項は以下の通りです。


1.他国籍を取得しても、国籍喪失の事実を知らなければ、国籍喪失届を出す必要はないのではないか。すなわち、国籍喪失の事実を知らなければ、実質的に複数国籍は法律上も維持出来る事になるのではないか。

2.公館庁が国籍喪失の事実を知った時、国籍喪失の報告をしなければならない、とあるが、その報告によって国籍喪失が行われるのか。それはどういう手続きになるのか。手続きはどの様な法令、あるいは通達によって行われるのか。今までその手続きによって、何人が国籍喪失をさせられているのか。


関係法令抜粋

国籍法

(国籍の喪失)
第十一条  日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
2  外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。

戸籍法

第百三条  国籍喪失の届出は、届出事件の本人、配偶者又は四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知つた日から一箇月以内(届出をすべき者がその事実を知つた日に国外に在るときは、その日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
2  届書には、次の事項を記載し、国籍喪失を証すべき書面を添付しなければならない。
一  国籍喪失の原因及び年月日
二  新たに外国の国籍を取得したときは、その国籍

第百五条  官庁又は公署がその職務上国籍を喪失した者があることを知つたときは、遅滞なく本籍地の市町村長に、国籍喪失を証すべき書面を添附して、国籍喪失の報告をしなければならない。
2  報告書には、第百三条第二項に掲げる事項を記載しなければならない。

法務省の指示(Mixiの書き込みより抜粋)

私は領事部のことは詳しくはないのですが、間接的に知りえた事実からすると、外務省は在外公館の領事部に対して、重国籍者、特に「自らの意思で多国籍を取得した」と疑われる日本人に対して、日本国籍の放棄を求めるよう指導するようにとの指示を出していると思います。それをどこまで徹底的に行うのかは、在外公館の事情や、その担当官によって対応が異なっているようですが、基本的にはそういう方針のようです。

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